アムステルダム派(読み)アムステルダムは(その他表記)Amsterdam group

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アムステルダム派」の意味・わかりやすい解説

アムステルダム派
アムステルダムは
Amsterdam group

20世紀初頭から,おもにアムステルダムを活動の場とした建築家集団の総称アムステルダム証券取引所 (1903) の設計者 H.P.ベルラーヘの影響の下に,公衆の生活と美術融合を現実的な社会に目指した。煉瓦を素材としたその手工芸的な作風は,有機的な表現に富む。おもに集合住宅の設計にその手腕を発揮し,M.デ・クラークが中心となって活躍。彼の代表作にアイヘンハールトの集合住宅 (13) やヘンリエット・ローネルプレインの集合住宅 (20) などがある。ほかに,J.M.ファン・デル・メイの海運協会ビル (16) など。経済恐慌とともに,煉瓦の高騰などから 1930年頃には衰退した。

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世界大百科事典(旧版)内のアムステルダム派の言及

【オランダ美術】より

…同グループのリートフェルトやアウトはベルラーヘの路線を継いで機能主義建築を発展させた。建築の分野では居住性を重視した集合住宅に新局面を開いたデ・クレルクMichel de Klerk(1884‐1923)ら〈アムステルダム派〉の活動も注目に値する。【高橋 達史】。…

【近代建築】より

…同時にアール・ヌーボーの周辺では,〈シカゴ派〉に属するL.H.サリバンが高層ビルの原型を実現しつつあり,グラスゴーではマッキントッシュがオーストリアに影響を与えることになる直線的様式を発展させつつあり,またスペインのガウディは,ゴシック原理に基づきつつ,うねるような曲線を多用した独自の造形を追究していた。北欧やオランダでは中世建築の手づくりの造形を新しく再生させる試みがつづけられ,20世紀に入ってから,〈アムステルダム派〉を形成してゆく。
[近代運動の開始]
 アール・ヌーボーは20世紀に入ると急速に衰え,直線的な造形が主流を占めるようになる。…

※「アムステルダム派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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