日本大百科全書(ニッポニカ) 「アメリカジガバチ」の意味・わかりやすい解説
アメリカジガバチ
あめりかじがばち
[学] Sceliphron caementarium
昆虫綱膜翅(まくし)目アナバチ科に属するハチ。体長20~25ミリメートル。腹柄(ふくへい)を含む体は黒色で、橙黄(とうこう)色の斑紋(はんもん)を有し、はねは茶色に曇るジガバチの仲間である。本種は北アメリカが原産地であるが、現在ではオーストラリアやヨーロッパにまで分布を広げた。日本には1945年(昭和20)に侵入し、関東から関西の太平洋側および北陸地方の一部に局地的に定着している。巣は近縁の普通種キゴシジガバチS. madraspatanumと同様、泥でたこ壺(つぼ)型の幼虫室をつくり、カニグモを狩り、幼虫の食料として蓄える。
[須田博久]