化学辞典 第2版 「アリール遷移金属錯体」の解説
アリール遷移金属錯体
アリールセンイキンゾクサクタイ
transition metal aryl complex
遷移金属に,フェニル基などのアリール(aryl)基がσ結合した化合物.遷移金属と炭素の間のσ結合は不安定である.おもにホスフィン化合物,CO,シクロペンタジニエル,オレフィン類などを配位子として有する錯体で,アリール遷移金属化合物が単離されている.合成法としては,ほかの典型元素のアリール金属化合物を用いる方法が一般的で,次のような例がある.
(C6H5)2Hg + VOCl3 → C6H5VOCl2 + C6H5HgCl
反応性はアルキル遷移金属錯体とほぼ同じである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報