ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルジャン古墳」の意味・わかりやすい解説 アルジャン古墳アルジャンこふんArzhan ロシア,トゥーバ共和国の首都クイズイルの北西部ウユク川 (エニセイ川の一支流) 流域のスキタイ時代 (前8~3世紀頃) の古墳。アルジャンには約 15kmにわたって8列の大クルガン (古墳) があり,各列は4~13基のクルガンから成り立っている。このうちウルグ・ホルムと呼ばれる大古墳は 1974年,考古学者 M.グリヤズノフによって発掘調査されたが,径約 80m,高さ 2.5~3mの円形をなし,約 70の槨室に分れていた。槨室はすべて直径 30cmのから松の丸太で井桁に積まれていた。王墓は中央にあり,そのまわりに 16人の殉死者の棺が発見され,副葬馬は 161頭を数えた。副葬品はほとんど盗掘されていたが,それでも西アジア産の織物残片や動物意匠の青銅飾板,短剣,馬具の一部などが発見された。グリヤズノフはこの古墳を前8世紀末から前7世紀初頭のものに比定している。そうであるとすればスキタイ系文化の古墳としては最古の一つであり,スキタイ文化の源流を考えるうえできわめて貴重な資料を提供している。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by