クルガン(読み)くるがん(英語表記)Курган/Kurgan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クルガン」の意味・わかりやすい解説

クルガン
くるがん
Курган/Kurgan

ロシア連邦中部、クルガン州の州都オビ川の支流トボル川の高い左岸に位置する。人口36万7200(1999)。鉄道の分岐点。機械製造(農機、トラクター、バス、化学機器、道路用機、木材加工機、工作機)、化学(薬品)、食料品(肉、穀粉乳業)、軽工業皮革メリヤス縫製履き物)などの工業が盛んである。単科諸大学、劇場、博物館があって、文化の中心地でもある。村の発生年代には諸説あったが、近年では1662年ごろに建設されたツァリョボ・ガラディシチェ要塞(ようさい)村が起源とみられている。のちにトボル川沿いに少し下流の現在位置へ移動し、1782年にクルガン市になった。

[三上正利]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クルガン」の意味・わかりやすい解説

クルガン
Kurgan

ロシア中西部,クルガン州の州都。西シベリア低地南西部にあり,オビ川水系トボル川にのぞむ。 16世紀なかば,クルガンと呼ばれる古墳の上に要塞集落として建設され,1783年市となった。その後周辺の農業地帯の中心地となり,19世紀末シベリア鉄道が通じ,オムスクチェリャビンスクエカテリンブルグと結ばれてから,重要性を増した。機械 (農業機械,道路建設機械) ,建設資材,食品などの工業がある。農業,機械,教育の各大学がある。人口 33万3640(2010)。

クルガン
kurgan

北方ユーラシアの草原地帯に分布する,盛り土または積み石のある古墓。円形,楕円形長方形などがあり,高さは1~20mぐらい。青銅器時代のものから 16~17世紀のものまで存在する。なかには豪華な副葬品のあるものもあり,当時の芸術水準の高さを示している。またクルガン文化と呼ばれる新石器時代から青銅器時代にかけての文化がウクライナを中心にみられるが,これはクルガンに埋葬することを特徴とする文化のことで,I~IV期に細分される。

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