改訂新版 世界大百科事典 の解説
アルナーチャル・プラデーシュ[州]
Arunachal Pradesh
インド北東端,アッサム州の北方にあり,北は中国,東はミャンマーに接する。面積8万3743km2,人口109万7968(2001)。州都はイタナガルItanagar。旧北東辺境管区(NEFA)にあたり,1972年にアッサム州より分離して中央政府直轄地となったが,1986年州となる。中国との国境はマクマホン・ラインをインド側は主張するが,中国は認めず,1962年の中印国境紛争の一因となった。東西約450km,南北150kmと狭長で,北端から順に大ヒマラヤ山脈,小ヒマラヤ山脈,前衛丘陵が東西に走る。これに対応して植生も氷雪と針葉樹,温帯性常緑樹,熱帯性常緑樹と変化する。森林は全土の約60%を占めているが,開発は進んでいない。東端部をディハン川が先行性河谷をなして横断した後,ブラフマプトラ川と名を変える。小ヒマラヤ山脈中には小河谷平野が発達し,アディ(アボール),ダフラ,アパタニなどのモンゴロイド系少数民族が,棚田で水田農業を,斜面で焼畑農業を営んでいる。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報