アレクサンドロス石棺(読み)アレクサンドロスせっかん(その他表記)Alexander sarcophagus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレクサンドロス石棺」の意味・わかりやすい解説

アレクサンドロス石棺
アレクサンドロスせっかん
Alexander sarcophagus

1887年,トルコの考古学者オスマン・ハムディが発見したシドン (現サイダ) の地下墓所より出土した石棺。墓所は7室より成り,17個の石棺があり,これは,いちばん新しい部屋にあった3個の石棺の一つであることから,前 333年アレクサンドロス大王の将軍ヘファイスティオンにより王位につけられたシドン先住の王家の最後の王アブダロニュモスの石棺と考えられている。イオニア式神殿型の石棺で,ペンテリコン産大理石で作られているため,アッチカ派の作とされる。高さ約 200cm。前面と両側面浮彫『ペルシア人とマケドニア人との戦い』と背面浮彫『獅子狩り』に,アレクサンドロス大王と確認できる騎馬人物がいる。闘争する人馬や動物の錯綜した主題を丸彫に近い浮彫で彫り上げたできばえはすばらしいが,残存する色彩 (紫,緋,赤,茶,黄,青) はさらに貴重である。イスタンブール考古学博物館蔵。

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