アンデレ行伝(読み)アンデレぎょうでん(その他表記)Acts of Andrew

改訂新版 世界大百科事典 「アンデレ行伝」の意味・わかりやすい解説

アンデレ行伝 (アンデレぎょうでん)
Acts of Andrew

200年ころアカイアで書かれた,新約外典行伝中最も長編の作品使徒の一人アンデレがアカイアで行った宣教活動と殉教が記される。本書特色として,まず悪しきものと聖なるものというような二元論性格を挙げることができる。しかしこれはグノーシス主義的な二元論とは異なり,中期プラトン主義の影響と考えられる。また本書の禁欲的性格は,タティアノスの影響によるところが多い。十字架の神秘についての考察も見られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android