アンワンティボ(読み)あんわんてぃぼ(その他表記)angwantibo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンワンティボ」の意味・わかりやすい解説

アンワンティボ
あんわんてぃぼ
angwantibo
golden potto
[学] Arctocebus calabarensis

哺乳(ほにゅう)綱霊長目ロリス科の動物。1属1種の原猿。西アフリカの狭い範囲の熱帯多雨林に分布する。頭胴長20~30センチメートル、尾は短く1センチメートルたらずである。体毛はふさふさと密生し金茶色。目は金色に光る。後肢の第2指にのみ鉤(かぎ)づめがあり、前肢の第2、第3指は退化している。風倒木の多い林を好み、おもに高さ5メートルまでの下生えを利用し、しばしば林床にも降りる。昆虫主食とし果実も少し食べる。夜行性の単独生活者で、昼間は葉の間に隠れ、四肢で枝を握り締め、前肢の間に頭を突っ込んで眠る。

[上原重男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアンワンティボの言及

【原猿類】より

…いずれも旧大陸低緯度地帯の多雨林や疎開林,サバンナなどに生息する樹上生活者である。キツネザルインドリアイアイの3科は,マダガスカルとその周辺の島々にだけ分布し,ツパイはインド,ミャンマー,中国南部,インドシナ半島,東南アジアの島々に,メガネザルはスマトラ,ボルネオ,セレベス,フィリピンに,ロリス科のうちガラゴGalagoポットーPerodicticus,アンワンティボArctocebusはアフリカに,ほかは東南アジア,インド,スリランカに分布している。 原猿類は,第三紀暁新世中期に北アメリカに現れ,次いで始新世にはヨーロッパに分布を広げた。…

【ロリス】より

…ロリス科はロリス亜科とガラゴ亜科に分けられる。ロリス亜科には,東南アジアに生息するスローロリスNycticebus coucang(イラスト),インドに生息するホソロリス(スレンダーロリス)Loris tardigradus(イラスト),カメルーンからナイジェリアにかけて生息するアンワンティボArctocebus calbarensis(イラスト),ギニアからビクトリア湖にかけて生息するポットーPerodictics potto(イラスト)の4属4種が含まれる。またガラゴ亜科には,アフリカ中南部に生息するオオガラゴGalago crassicaudatus,セネガルガラゴ(ショウガラゴ)G.senegalensis(イラスト)などの1属6種が含まれる。…

※「アンワンティボ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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