あゝ玉杯に花うけて(読み)アアギョクハイニハナウケテ

デジタル大辞泉 「あゝ玉杯に花うけて」の意味・読み・例文・類語

ああぎょくはいにはなうけて【あゝ玉杯に花うけて】

佐藤紅緑の児童文学作品。「少年倶楽部」誌に昭和2年(1927)5月号から翌昭和3年(1928)4月号まで連載理想に向かって努力する少年たち友情を描いて人気を博した。単行本は昭和3年(1928)刊。題名は、第一高等学校寮歌歌詞から。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「あゝ玉杯に花うけて」の意味・わかりやすい解説

あゝ玉杯に花うけて
ああぎょくはいにはなうけて

佐藤紅緑(こうろく)作の少年小説。講談社発行の少年雑誌『少年倶楽部(くらぶ)』に1927年(昭和2)5月号から翌年4月号まで連載され、大衆児童文学における現代小説の達成を示した。貧しい家に生まれた青木千三少年が、友情に助けられながら向学心を貫き通すという筋に、金持ちの家に育った不良少年阪井巌(いわお)の純情と悔悟を織り交ぜたもの。美しい友情、立身出世主義、「艱難汝(かんなんなんじ)を玉にす」のモラルなど、紅緑の少年少女小説の思想がすべて典型的な形で表されており、当時の少年たちから愛読された。題名は旧制第一高等学校の寮歌による。

上笙一郎

『『佐藤紅緑全集 上』(1967・講談社)』『加藤謙一著『少年倶楽部時代』(1968・講談社)』

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