アーバークロンビー(読み)あーばーくろんびー(その他表記)Sir Ralph Abercromby

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アーバークロンビー」の意味・わかりやすい解説

アーバークロンビー
あーばーくろんびー
Sir Ralph Abercromby
(1842―1897)

イギリスの気象学者。等圧線の形により天気図を分類したことで有名。貴族の家に生まれたが、病弱のため中学を中退、のち軍隊に入り、1864年には中尉に任官した。1866年陸軍大学校に入ったが病気となり、官職を辞した。健康回復のために3回も世界を回航し、その第1回目の回航のおり1886年(明治19)3月、長崎に寄港した。第3回目のとき、オーストラリアシドニーで病を得、同地で没した。著書に『天気』Weather(1887)があり、これはのちにイギリス気象局のゴルディA. Goldie(1888―1964)がほとんど書き直して新版を出した(1934)。アーバークロンビーは、気圧について低気圧、高気圧、V状低気圧など等圧線を七つの基本形式に分類したほか、雲形の分類も行い、今日の雲形の分類の基礎をつくった。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む