イギリス本土航空決戦(読み)イギリスほんどこうくうけっせん(その他表記)Battle of Britain

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イギリス本土航空決戦」の意味・わかりやすい解説

イギリス本土航空決戦
イギリスほんどこうくうけっせん
Battle of Britain

第2次世界大戦中,フランス降伏後の 1940年7~9月に,ドイツ空軍がイギリスに対して行なった一連の激しい攻撃。ドイツ空軍の攻撃は,当初はイギリス上陸作戦 (「アシカ作戦」) の準備を目的としてイギリスの船舶に集中していたが,8月以降,イギリス空軍の戦闘機の基地に向けられていった。9月になるとドイツの関心ロンドンなどの都市部に移り,ロンドンは9月7日から 57日間連続で夜間空襲を受けた。しかし9月中旬までにイギリス上陸作戦は無期限に延期され,戦いの本質的な勝敗は決した。空爆はその後も続き,1941年2月の小休止を挟んで,3~4月には最後の激しさを増した。空襲がロンドンに集中した 1940年末から 1941年5月までは,一般に「ロンドン大空襲」と呼ばれる。イギリス空軍は,数のうえでははるかに劣勢だったが,優れた戦術,レーダなどの先進的な防空技術,ドイツ側暗号の解読などによって,ドイツ空軍の侵攻を阻止した。

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