いささめ

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
※塵袋(1264‐88頃)六「鯢(げい)といふ魚の最少なるあり、〈略〉これは世の人のいささめといふもの歟」
② 魚「しろうお(素魚)」の異名。
※聞書集(12C後)「いまゆらもさでにかかれるいささめのいさ又しらずこひざめのよや」
〘副〙 (古く「いさざめ」とも。多く「いささめに」の形で用いられる。「いささか」などと同根)
① 一時的であるさま。また、ほんの少しであるさま。かりそめ。ちょっと。
※万葉(8C後)七・一三五五「真木柱作るそま人伊左佐目(イササめ)にかりほのためと作りけめやも」
※古今(905‐914)物名・四五四「いささめに時まつまにぞ日は経ぬる心ばせをば人に見えつつ〈紀乳母〉」
② (「明白」「明明地」「白地」などと書く) 他にはっきりわかるように行なうさま。公然。〔易林本節用集(1597)〕
※読本・南総里見八犬伝(1814‐42)二「この婚縁は明々地(イササメ)にとり結(むすべ)るにあらねども」
[語誌]②はおもに近世以降の用法であり、用字などから考えて、あるいは①とは別語とも見られるが、①がもとになって意味変化したものか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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