イスラム会議機構(読み)イスラムかいぎきこう(その他表記)Organization of the Islamic Conference; OIC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イスラム会議機構」の意味・わかりやすい解説

イスラム会議機構
イスラムかいぎきこう
Organization of the Islamic Conference; OIC

イスラム的価値の維持,イスラム的連帯の推進,イスラムの聖地の保護およびイスラム教徒の民族闘争支援などを目的とする国際機構。1969年8月イスラエル占領下のエルサレム旧市で起こったアクサー・モスク放火事件を契機に,9月モロッコのラバトで第1回イスラム首脳会議が開かれ,毎年外相会議を開くことを決定した。1971年サウジアラビアのジッダで開かれた第3回外相会議で OIC憲章を採択,これに基づきイスラム会議機構が発足した。最高機関は原則として 3年ごとに開かれるイスラム諸国首脳会議で,その下に外相会議,財政,経済・文化・社会,科学・技術協力,エルサレム問題などの委員会および事務局(所在地ジッダ)がある。56ヵ国とパレスチナ解放機構 PLOが加盟している。加盟国アフガニスタンへのソビエト連邦侵攻,加盟国間の武力行使イラン=イラク戦争イラクのクウェート侵略)では困難な問題に直面したが,旧ユーゴスラビアにおける民族紛争ではボスニア・ヘルツェゴビナのイスラム教徒を支援した。加盟国間の経済協力や,非加盟国のイスラム教徒にも配慮する文化的社会的活動なども展開している。イスラム開発銀行は 1974年の OIC財務相会議で設立され,翌 1975年にジッダで開業した。2011年,イスラム協力機構名称を変更した。

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