日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソゴンベ」の意味・わかりやすい解説
イソゴンベ
いそごんべ / 磯権兵衛
marbled hawkfish
redspotted hawkfish
[学] Cirrhitus pinnulatus
硬骨魚綱スズキ目ゴンベ科に属する海水魚。伊豆半島以南、小笠原(おがさわら)諸島、西部太平洋、インド洋に分布する。この類では体がやや低く、体側に眼径大の淡色斑紋(はんもん)と眼径より小さい黒色斑点が散らばることが、この種の特徴。背びれ軟条は11本で、側線鱗(りん)数は39~44枚ある。背びれ各棘(きょく)の先端から皮弁が出る。胸びれは14軟条で、下部の7軟条は不分枝で、肥厚する。体と背びれ、臀(しり)びれ、尾びれは暗褐色で、胸びれ軟条は赤色。ゴンベ類の中では大型種で、全長30センチメートルほどになる。水深40メートル以浅のサンゴ礁や、岩礁外縁の波が強く当たるところに多くいる普通種で、夜行性。おもに甲殻類を食べるが、ウニ類、クモヒトデ類、小魚なども食べる。大型のルアーにも反応し、サンゴ礁で釣りをする人にカサゴ類と間違われることが多い。
[尼岡邦夫]