日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソスジエビ」の意味・わかりやすい解説
イソスジエビ
いそすじえび / 磯筋蝦
[学] Palaemon pacificus
節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目テナガエビ科に属するエビ。体長5センチメートルに達する。岩礁の潮だまりに多く、房総半島沿岸およびハワイ、東南アジア各地に広く分布する。体色はほとんど透明で、黒褐色の複雑な縞(しま)模様があるが、若い個体では単純である。額角(がっかく)は頭胸甲長にほぼ等しく、前半部がやや上方に曲がっている。歯数は上縁に6~11個(頭胸甲上に3個)、下縁に2~6個である。近縁種のスジエビモドキP. serriferやアシナガスジエビP. ortmanniも多くみられるが、額角の長さや歯数の相違によって識別される。いずれも食用や釣りの餌(えさ)とされる。
[武田正倫]