軟甲類(読み)なんこうるい

精選版 日本国語大辞典 「軟甲類」の意味・読み・例文・類語

なんこう‐るいナンカフ‥【軟甲類】

  1. 〘 名詞 〙 節足動物甲殻綱の一亜綱。甲殻類うち、最も大きい亜綱で、アミ目・等脚目・端脚目・十脚目などを含み、一万八千種以上が数えられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「軟甲類」の意味・わかりやすい解説

軟甲類 (なんこうるい)

甲殻綱軟甲亜綱Malacostracaに属する節足動物の総称で,いわゆる高等甲殻類である。近年の分類体系では甲殻上綱軟甲綱とされることもある。2万5000種以上が知られており,コノハエビ目,アナスピデス目,ムカシエビ目,テルモスバエナ目,スペレオグリフス目,アミ目,クマ目,タナイス目,等脚目(ウミナナフシフナムシなど),端脚目(ヨコエビクラゲノミなど),オキアミ目,アンフィオニデス目,十脚目(カニエビ類),口脚目(シャコ)に分けられる。一般に甲がよく発達し,とくに十脚目でその発達が著しい。甲の石灰化の程度はいろいろであるが,軟甲ということばは軟体動物の貝殻に比較したときの表現である。頭部5節,胸部8節,腹部6節,尾節からなり,それらの付属肢は部位に応じて構造,機能が異なっている。幼生は一般にノープリウスよりも進んだ状態で孵化(ふか)し,数回の幼生期を経て成体になる。体長は数mmから数cmのものが多いが,いわゆる下等甲殻類よりは大きく,直接,間接に有用な動物群である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軟甲類」の意味・わかりやすい解説

軟甲類
なんこうるい
malacostracan

軟甲綱 Malacostracaとしてまとめられる甲殻類の総称。基本的な体制は,頭部 5節に続いて胸部 8節,腹部 6節,尾節からなる。各節は付属肢をもつが,機能に応じた変形が著しい。形態,生態とも高度に分化しており,甲殻類中の主要群である。2万2000種以上が知られており,十脚類口脚類オキアミ類など 16目に分けられる。軟甲という名は,貝類の殻に比べてやわらかいという意味である。(→節足動物

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