日本大百科全書(ニッポニカ) 「イヌダニ」の意味・わかりやすい解説
イヌダニ
いぬだに / 犬壁蝨
犬蜱
castor bean
sheep tick
[学] Ixodes ricinus
節足動物門クモ形綱ダニ目マダニ科に属するダニ。ヨーロッパや旧ソ連に分布し、多種類の家畜に寄生して吸血する。ドイツ語名でHundzecke(イヌダニ)とよばれているが、日本では、かつて別の種類がこれと同じものと考えられていたため、いまでもイヌについているものが誤ってこの種名でよばれることがある。実際は日本のイヌには多くの別種のマダニ類がつき、日本の平地では普通キチマダニとツリガネチマダニ、沖縄ではクリイロコイタマダニ、山野を走る猟犬にはさらに多くの種類が、耳や趾(し)間に食いついて吸血する。
[山口 昇]