イブヌル・ファーリド(その他表記)Ibn al-Fārid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブヌル・ファーリド」の意味・わかりやすい解説

イブヌル・ファーリド
Ibn al-Fārid

[生]1181.3.22. カイロ
[没]1235.1.23. カイロ
イスラム神秘主義詩人。青年時代からカイロ東方のムカッタム丘で隠遁生活をおくり,次いでアラビア半島ヒジャーズ山地に移住,修行して,カイロに帰って尊敬されながら隠遁生活を続けた。彼の詩は大部分頌詩 Qaṣīdahの形式をとっている。神と自己との関係を凝視し,神への愛の陶酔境を体験する過程を日常的な言葉を用いて比喩的にうたい上げている。その詩から導出される神秘思想の解釈については多様で一定していないが,後世の神秘思想家は,その詩のなかに存在一性論 waḥdat al-wujūdの思想を読取ろうとする傾向が強い。主著『イブヌル・ファーリド詩集』 Dīwān ibn al-Fāridは小冊子ではあるが,独創的なアラブ文学作品として名高い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む