イブンルスタ(その他表記)Ibn Rusta

改訂新版 世界大百科事典 「イブンルスタ」の意味・わかりやすい解説

イブン・ルスタ
Ibn Rusta

10世紀前半に活躍したイスファハーン生れのイスラム教徒で地誌著述家。生没年不詳。903年ヒジャーズにいたという記録がある。著書アラビア語で書かれた《貴重なるものの書》(903-913)がある。もと大著であったが,天文地理について述べた第7巻のみ現存する。本書は世界を全体的にとらえ,現世的・実際的情報の提供を意図して編纂された。アッバース朝下のイスラム世界だけでなく,ビザンティンをはじめとする非イスラム地域を含み,豊富なテーマと収集された見解の多様さには,小型の歴史地理全書の趣がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブンルスタ」の意味・わかりやすい解説

イブン・ルスタ
Ibn Rustah, Abū `Alī Aḥmad ibn `Umar ibn Rustah

10世紀初頭のイラン人地理学者。イスファハンに生れ,903年にはヘジャーズに旅行した。その著"Kitāb al-A`lāq al-Nafīsah" (903~913) は地理学的・歴史的知識百科事典ともいうべきもので,第7巻のみが現存する。

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