イムディナの大聖堂(読み)イムディナのだいせいどう

世界の観光地名がわかる事典 「イムディナの大聖堂」の解説

イムディナのだいせいどう【イムディナの大聖堂】

マルタ島中央部の城塞都市イムディナ(Mdina、正式名Imdina)中心部にあるキリスト教の聖堂。◇地元では単に「大聖堂」(Cathedral)と呼ぶ。バスターミナルのすぐ近くにある(徒歩約3分)。首都バレッタ(Valletta、Belt Valletta)からイムディナのバスターミナルまではバスで約20分ほどかかる。マルタ島で最初に建設された教会で、4世紀には、この場所にすでに小さな教会が建っていた。キリストの十二使徒の一人である聖パウロの乗っていた船が西暦60年にマルタ沖で難破し、マルタに上陸したパウロは、ラバト(Rabat)の聖パウロ教会の下にある洞窟(聖パウロの洞窟)に身を隠し、伝道を行った。この伝道で改宗したマルタ島のローマ人の長、プーブリウスの家の敷地に、この教会が建設されたといわれる。その後、マルタ島は870年にアラブ人の侵攻を受け、1127年にノルマン人が占領するまでイスラムの支配があったが、この間に破壊され、ノルマン人が支配した13世紀に再建された。この教会も17世紀末の地震で倒壊し、その後、バロック様式の教会として再建され、今日に至る。聖堂内部の中央祭壇後方の聖歌隊席には、画家騎士でもあったマッティア・プレティ(Mattia Preti、1613~1699年)のフレスコ画「聖パウロの難破風景」がある。ちなみに、城壁の外にあるラバトの「聖パウロの洞窟」の上に建つ聖パウロ教会は、この大聖堂に付属する参事会教会である。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

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