《The Islamic State of Iraq and the Levant》イラク、シリアを中心に2004年から活動しているスンニ派のイスラム過激組織。「イラクのアルカイダ(AQI)」として知られたが、2006年10月以降「イラク・イスラム国(ISI)」を名乗り、2013年4月には「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」への改称と、シリア方面への活動拡大を宣言した。シリアでの反政府活動において存在感を示し、生活物資の配給等にも力を入れたことから、当初は地域住民にも一定の支持を得て勢力を拡大したが、他の反体制組織との対立や支配地における極端なシャリア(イスラム法)施行の強要によって反発を招いた。2014年6月、「イスラム国(IS)」への改称と、最高指導者バグダディのカリフ就任を宣言。その後、欧米諸国が参加する空爆等により、イラク、シリア地域での支配力は低下しているが、世界の他の地域の過激組織が同組織への忠誠を誓い、テロ活動を行う例が頻発している。2015年には、前年より拘束していた邦人2名の殺害映像を公開、日本社会に衝撃を与えた。略称ISIL。