日本大百科全書(ニッポニカ) 「イレコダニ」の意味・わかりやすい解説
イレコダニ
いれこだに / 入籠蜱
box mites
節足動物門クモ綱ダニ目ササラダニ亜目イレコダニ科に属するダニの総称。広義にはヘソイレコダニ科、タテイレコダニ科も含む。体長0.3~1.5ミリメートル、淡褐色から黒褐色。体表は堅く、つややかなものが多いが、ゴルフボールのようにくぼみをもつものもある。体内に脚(あし)を格納し、体の前部を腹側に折り曲げると、ちょうど哺乳(ほにゅう)類のアルマジロのように体を丸めることができる。寄生性はまったくなく、地表の落葉落枝や土壌中に生活し、腐りかけた植物質を食べる。日本に40種以上が生息し、イレコダニ科の大形のキシダイレコダニMaerkelotritia kishidaiは高山帯のハイマツの下に、中形のヤマトイレコダニPhthiracarus japonicusは山地の落葉下に、ヘソイレコダニ科の小形のヒメヘソイレコダニRhysotritia arduaは至る所の土壌中に生息する。
[青木淳一]