インテグレーター(読み)いんてぐれーたー(英語表記)integrator

翻訳|integrator

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インテグレーター」の意味・わかりやすい解説

インテグレーター
いんてぐれーたー
integrator

国際貨物輸送において、配送元から配送先まで、ドア・ツー・ドアの輸送を行う巨大物流事業者。通常、国際的な貨物運送業務は分業制が敷かれており、集配は自社で行うが、幹線輸送については航空機を保有する他業者を利用する「フォワーダー」と、航空機を保有し定期便輸送で複数のフォワーダーの貨物を輸送する「キャリアー」に分かれている。その二つの業務を一つの企業グループで統合(インテレグレート)して行うのがインテグレーターである。

 自社グループ内で一貫した情報システムをもち、輸送品質、納期の面で有利な立場にある。ただし自社で航空機、物流センター、カーゴ、配送車などを保有するため、設備に大きな投資が必要で、莫大な輸送量がなければ自社インフラを維持することはできない。世界4大インテグレーターとして、アメリカのフェデックス(FedEx Corporation)とUPS(United Parcel Service Inc.)、ドイツのDHL(Deutsche Post DHL)、オランダTNT(TNT Express Worldwide Inc.)がある。日本には大手フォワーダーはあるものの、キャリアーは規模が小さく、グローバルに活躍しているインテレグレーターはない。複数の事業者が集まり、和製インテグレーターを生み出す構想もある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例