インドの発展に寄与する科学技術分野の人材育成を目的として,アメリカのマサチューセッツ工科大学をモデルに設立された。1961年の工科大学法(インド)のもと,インドの国家的重要機関に指定されている。1951年に設立された西ベンガル州カラグプル校に始まり,その後,ボンベイ校(ムンバイー),マドラス校(チェンナイ),カーンプル校,デリー校が,それぞれロシア,西ドイツ,アメリカ,イギリスの援助を受けて増設された。2013年現在16校がインド各地に展開。共通入学試験では,約1万人の定員に対して約50万人が受験。卒業生がアメリカをはじめ海外に移る頭脳流出が指摘されてきたが,流出した頭脳がインドの発展に生かされる頭脳循環や,インド経済の発展を背景に頭脳が国内に留まる頭脳保持(brain retain)の傾向も確認されつつある。QS社の大学ランキング(2015/16年)ではバンガロール校が147位,デリー校が179位,ボンベイ校が202位,マドラス校が254位,カーンプル校が271位,カラグプル校が281位にランク入りしている。
著者: 小原優貴
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
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