ウィグナーの位相空間分布関数【Wigner's phase space distribution function】
古典力学系では,自由度 f の力学系を表現するためには f 個の座標(q1,q2,…,qf)と f 個の運動量(p1,p2,…,pf)を用いる.古典統計力学では位相空間における分布関数として f(q1,q2,…,qf,p1,p2,…,pf)の形の関数が導入される.しかしながら量子力学では不確定性原理のために,座標と運動量を同時に与えることができないので,上のような分布関数は定義できないことになる.