改訂新版 世界大百科事典 「ウィゼバ」の意味・わかりやすい解説
ウィゼバ
Teodor de Wyzewa
生没年:1863-1917
象徴主義の理論家。ポーランドの生れ。本名ビゼフスキWyzewski。6歳のときフランスに移り,同国でのワーグナー崇拝の風潮に乗じて1885年,E.デュジャルダンとともに《ワーグナー評論》誌を創刊し,《ワーグナーの芸術》(1886年5,6月号)によってフランス象徴詩派の理論家として登場,さらに86年11月からは第3次《独立評論》誌に拠ってS.マラルメを中心とする象徴主義理論の基礎を築いた(1887年2月号)。かたわら《両世界評論》誌の外国文学評論を担当しつつ,トルストイをはじめ英・独・露の文学作品の翻訳紹介も多数。またジョルジュ・ド・サン・フォアの《モーツァルト,生涯と作品》全5巻(1912-46)の最初の2巻に共著者として協力した。
執筆者:松室 三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報