内科学 第10版 「ウイルス性疾患」の解説
ウイルス性疾患(口腔粘膜・舌の疾患)
a.ヘルペス性歯肉口内炎(herpetic gingivostomatitis)
単純疱疹ウイルス(HSV-1)の初感染病変で,生後6カ月から3歳までの乳幼児に好発する.
b.単純疱疹(herpes simplex)(口唇ヘルペス:herpes labialis)
HSV-1の再感染によるもので,成人に多い.口唇と皮膚の境界部に小水疱を形成する.
c.帯状疱疹(herpes zoster)
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染症で,幼児期に罹患すると水痘として発症し,後に神経節に潜伏感染し,成人になって帯状疱疹として再燃する.
d.ヘルパンギーナ(herpangina)
おもにコクサッキーウイルスの感染症で,軟口蓋,咽頭部に小水疱を形成し,小児,若年者に好発する.
e.手足口病(hand-foot-mouth disease)
コクサッキーA16,A10や,エンテロウイルス71による全身感染症で,足蹠,手掌,口腔に小水疱や発疹を生ずる.おもに1〜4歳の小児に罹患する.[高戸 毅]
■文献
榎本昭二,他編:最新口腔外科学,第4版,医歯薬出版,東京,2000.玉置邦彦総編集:最新皮膚科学大系第17巻 付属器・口腔粘膜の疾患,第1版,中山書店,東京,2002.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報