ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウォーフ」の意味・わかりやすい解説
ウォーフ
Whorf, Benjamin Lee
[没]1941.7.26. コネティカット,ウェザーズフィールド
アメリカの言語学者。マサチューセッツ工科大学で化学を専攻,卒業後火災保険会社の調査員をつとめながら,独学で言語研究の道に入る。エール大学に移った E.サピアの指導を受けて,アメリカインディアン諸語の調査研究に従事し,ユート=アステカ語族,特にホピ語の研究に力を注いだが,それを通して,一言語の文法構造や語彙体系と,その言語を用いる民族の思考様式との間に密接な相関関係があることを確信するにいたった。この考えはのちにサピア=ウォーフの仮説として知られるようになり,現在にいたるまで,言語理論上の大きな問題になっている。死後 J.B.キャロルの編纂した論文集『言語・思考・現実』 Language,Thought and Reality (1956) が出版された。
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