日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウデムシ」の意味・わかりやすい解説
ウデムシ
うでむし / 腕虫
節足動物門クモ形綱無鞭(むべん)目ウデムシ科に属する小動物の総称。体はクモを平たく押しつぶしたような形をしており、体長1センチメートルないし数センチメートル。第1脚が非常に細長くしなやかで、これをアンテナ状に前方に伸ばして揺すりながら歩く。無鞭類にはほかにカニムシモドキ科があるが、この類は第6後跗節(こうふせつ)に付着盤をもつが、ウデムシ科はそれをもたない。アフリカ、インド、南北アメリカの多湿な熱帯、亜熱帯に分布、湿地の倒木や石下などに潜んでいる。屋内種もいる。肉食性で、夜間に徘徊(はいかい)し、ゴキブリ、シロアリ、ワラジムシなどを食べる。3亜科10属、約45種が知られている。
[森川国康]