ワラジムシ(読み)わらじむし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワラジムシ」の意味・わかりやすい解説

ワラジムシ
Porcellio scaber

軟甲綱等脚目ワラジムシ科 Porcellionidae。体長 1cm内外。体は扁平な縦長の長楕円形で,灰褐色ないし暗褐色の地に淡黄色の斑紋がある。体の大部分を七つの胸節が占め,6節からなる腹部後方に小さくまとまっている。第1触角は微小であるが,第2触角は長く,3ヵ所で折れ曲がる。世界に広く分布し,人家近くの落ち葉,ごみ,石,倒木の下など湿った環境にすむ。近縁のホソワラジムシ Porcellionides pruinosus は青褐色ないし暗褐色で,淡色の不規則模様があり,きわめて普通に見られる。また浜辺に打ち上げられた海藻やごみの下にはタマワラジムシ Alloniscus perconvexus が見られる。なおワラジムシ科は,ダンゴムシ科(→ダンゴムシ)とともに陸生甲殻類の代表的なものであるが,ダンゴムシ類と違って手で触れても球状にならない。(→節足動物等脚類軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワラジムシ」の意味・わかりやすい解説

ワラジムシ
わらじむし / 草鞋虫
[学] Porcellio scaber

節足動物門甲殻綱等脚(とうきゃく)目ワラジムシ科に属する陸上動物。ユーラシア大陸原産といわれるが、現在では世界に広く分布している。長さ1センチメートルほどの紡錘形で、弱く左右に湾曲している。頭部に続く7胸節はほぼ等長で、背面にやや大きな顆粒(かりゅう)が横に並んでいる。近縁種のホソワラジムシPorcellionides prunosusも、ほぼ同じ大きさであるがやや幅が狭く、背面はほとんど滑らかにみえる。両種とも枯れ葉やごみの下などにごく普通にみられるが、人家の床下などにはワラジムシが多い。

[武田正倫]

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