うらみのすけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「うらみのすけ」の意味・わかりやすい解説

うらみのすけ

仮名草子。作者未詳。2巻。慶長 14 (1609) 年以後に成る。同9年6月京都清水の万灯会に,葛の恨之介が,豊臣秀次の家来木村常陸の遺姫で近衛殿の養女である雪の前を見そめ,服部荘司の後家を介して艶書を送り一夜の契りを結ぶ。その後会う機会もなく恨之介は思い積って重病となり見舞いの親友夢の浮世の助らに遺書を託して死ぬ。遺書を見て姫は絶命仲介の女房菖蒲殿,後家も自殺する。中世色の濃い作品だが関係者全部の死や風俗描写に御伽草子と異なる点が見出される。

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