日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウランチャブ」の意味・わかりやすい解説
ウランチャブ
うらんちゃぶ / 烏蘭察布
中国北部、内モンゴル自治区中部の地級市。清(しん)代に各旗が紅螺谷(こうらこく)(モンゴル語でウランチャブという)で会盟したことから名づけられた。行政の中心地は集寧(しゅうねい)区で、ほかに商都(しょうと)など5県、4旗(県級行政区)を管轄し、豊鎮(ほうちん)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口273万8700(2015)。
大青山(だいせいざん)山脈が中央を東西に走り、その南の豊鎮高原は農業地域、北の内モンゴル高原は草原、ゴビ(礫質(れきしつ)砂漠)からなる牧畜地域、中部は半農半牧地域である。南部の農業地域ではユウマイ(エンバクの一種)、ジャガイモ、ナタネ(アブラナ)、大豆、食油用アマ、サトウダイコンを産し、北部の牧畜地域ではヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマなどの飼育が行われる。京包線(北京(ペキン)―パオトウ)、集二線(集寧―エレンホト)、集通線(集寧―通遼(つうりょう))、張集線(張家口(ちょうかこう)―集寧)が通じる。また、ヨーロッパへの貨物列車の起点にもなっている。
[河野通博・編集部 2017年12月12日]