通遼(読み)つうりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「通遼」の意味・わかりやすい解説

通遼
つうりょう / トンリヤオ

中国、内モンゴル自治区南東部の地級市。西遼河(せいりょうが)中流域に位置する。1市轄区、開魯(かいろ)県、5旗(県級行政区)を管轄し、1県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口319万3700(2015)。市のモンゴル名はパインターラ。かつてはモンゴル王の牧地で、1914年漢民族に開放された。

 遼河の東方3キロメートルにある方格地割の街で、京通線(北京(ペキン)―通遼)、通譲線(通遼―大慶(たいけい))、大鄭(だいてい)線(大虎山(だいこさん)―双遼(そうりょう))、通霍線(通遼―霍林河(かくりんが))、集通線(集寧(しゅうねい)―通遼)が交わる。市街近郊にある通遼空港は、数度にわたる拡張工事を経て、自治区東部の主要空港となっている。農業機械製糖、紙、ガラス皮革、乳製品加工などの工業が立地する。中華人民共和国成立後、防砂林が造成され、大豆、コウリャントウモロコシアワなどを産する。また、石炭や天然珪砂(けいさ)などの地下資源もある。名勝としては大青溝自然保護区が有名。

[浅井辰郎・編集部 2017年12月12日]

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改訂新版 世界大百科事典 「通遼」の意味・わかりやすい解説

通遼 (つうりょう)
Tōng liáo

中国北部,内モンゴル自治区哲里木盟に属する県級市。人口79万(2000)。西遼河南岸にあり,京通(昌平~通遼),通譲(通遼~譲湖路),大鄭(大虎山~鄭家屯),集通(集寧~通遼),通霍(通遼~霍林河炭鉱)の5鉄道の交差する交通上の要地。もとはモンゴル族により白音太拉と呼ばれたが,漢族は通遼鎮と命名。遼源県に属し,1913年開市場となり,18年遼源県より分離,通遼県となり,51年市街地に市制施行。置県当時は奉天省,のち遼北省に属していた。文化大革命期間中は吉林省に含まれていた。牧畜地域と農業地域の物資交易の中心地として成長してきたが,現在は機械,製糖,製紙化学,ガラス,皮革,乳製品工業が発達,哲里木盟の行政中心でもある。大慶油田と北京を直結する鉄道に沿うと共に,霍林河の露天掘の大炭鉱からの石炭輸送上の要地でもあり,重要な交通機能をもつ。
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百科事典マイペディア 「通遼」の意味・わかりやすい解説

通遼【つうりょう】

中国,内モンゴル自治区東部哲里木(チエリム)盟の都市。京通(昌平〜通遼),通譲(通遼〜譲湖路),大鄭(大虎山〜双遼)などの鉄路が交差する。1951年通遼県の一部地区を分割して市とした。機械,製糖,製紙,化学,ガラス,皮革,乳製品加工などの諸工業がある。85万人(2014)。

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