改訂新版 世界大百科事典 「ウンムシャイフ油田」の意味・わかりやすい解説
ウンム・シャイフ油田 (ウンムシャイフゆでん)
Umm Shaif
1958年にアラブ首長国連邦アブ・ダビーの沖合約140kmで発見された油田。62年に日産3万バレル弱で生産を開始。20km×15kmの典型的なドーム構造である。主要油層は深度約2700mのジュラ紀前期の石灰岩である。油層は孔隙率,浸透率とも良好で,ガスキャップ押しの排油機構によってある程度の高い回収率を期待することはできるが,これをさらに向上させるために水攻法を実施している。油質は比重37°API,硫黄分1.38%である。72年,海外石油開発(株)はアブ・ダビー・マリン・エリアズ社(ADMA)が利権を保有する鉱区へ参加する契約をブリティッシュ・ペトロリアム社と締結し,この利権はジャパン石油開発(株)に引き継がれている。本油田のほか,ザクム油田等がこの鉱区に含まれている。
執筆者:加藤 正和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報