エキノコッカス症(読み)えきのこっかすしょうほうちゅうしょう

家庭医学館 「エキノコッカス症」の解説

えきのこっかすしょうほうちゅうしょう【エキノコッカス症(包虫症)】

 エキノコッカス属条虫幼虫が感染するもので、日本では、ほとんどが多包虫症で、北海道でみられます。
 人への感染は、イヌキツネに寄生している条虫から排出された虫卵(ちゅうらん)が偶然口に入ることによりますが、ウサギ肉から感染する例もあります。
●症状
 寄生部位によって症状は異なりますが、たびたび悪性腫瘍(あくせいしゅよう)と誤診されます。大部分肝臓に寄生します。
●治療
 外科的に包虫を摘出(てきしゅつ)するのが確実な治療ですが、包虫液がもれてショックの危険があります。薬剤治療としてはアルベンダゾールの服薬・休薬をくり返します。
●予防
 流行地では野犬やキツネとの接触を避け、川水や井戸水は生で飲まないことです。また、野イチゴや野菜は十分に洗ってから食べましょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android