改訂新版 世界大百科事典 「エジンバラレビュー」の意味・わかりやすい解説
エジンバラ・レビュー
Edinburgh Review
イギリスのホイッグ(自由党)系の評論誌。フランシス・ジェフリー,フランシス・ホーナー,ヘンリー・ブルーム(いずれもスコットランド出身の法律家)とシドニー・スミス(イングランド出身の宗教家)によって,1802年にエジンバラで創刊された。その評論は書評の形式を採ったが,必ずしもそれにとらわれることなく,ひろく政治,宗教,社会,文学,芸術を論じ,その筆は自由闊達かつ辛辣をきわめた。創刊号は,まず750部が印刷されたが,たちまち売り切れ,さらに750部以上が増刷された。6年後の発行部数は9000,13年には1万3000部に達した。同誌が自由主義の旗幟を鮮明にしたのは,1808年にトーリー政府のナポレオン戦争遂行政策を攻撃したときからで,その結果ほどなく対抗誌として,トーリー(保守党)系の《クオータリー・レビュー》が生まれた。その後19世紀の寄稿家としては,T.B.マコーレーが有名である。1929年廃刊。
執筆者:村岡 健次
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報