エッケホモ(その他表記)Ecce Homo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エッケホモ」の意味・わかりやすい解説

エッケ・ホモ
Ecce Homo

キリスト教美術の主題。『ヨハネによる福音書』 19章によれば,総督ピラトは,イエス・キリストを捕え,兵士にむち打たせ,紫の王衣といばらの冠を着せて嘲弄させた。そののち,彼を公衆の面前引出し,「この人を見よ (エッケ・ホモ) 」と語りかけるが,イエスの反対派は一斉に「十字架につけよ」と叫んだ。この瞬間を表わした図像は9~10世紀頃からあったが,中世末期には,特に,むち打ちに傷つき,手を縛られたみじめな姿のイエスをピラト,兵士とともに壇上に配し,その下に醜い敵対者の群衆をおく構図が発展してきた。またその姿のイエスだけを単独像として取上げたものが,いわゆる祈念像 (アンダハツビルト) の一つとして流行した。作例はボッシュ (フランクフルトアムマイン,シュテーデル美術研究所) ,レンブラントエッチング (1655) など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む