ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーゲ海建築」の意味・わかりやすい解説 エーゲ海建築エーゲかいけんちくAegean architecture ギリシア文明に先行するエーゲ海文明に包含される建築で,主として前 3000~1200年のクレタ島の宮殿建築と前 1200年頃のミケーネとティリンスの城砦と墳墓建築をいう。クレタ島のクノッソス宮殿 (前 2000頃,前 1300頃改築) は,大中庭を取囲む多数の室と階段の連続,軽妙快活な壁画,完備した排水施設などで知られている。ギリシア本土のミケーネの要塞宮殿 (前 12世紀) は獅子門で知られ,付近にアガメムノンの墓といわれるアトレウスの宝庫がある。同じくギリシア本土のティリンスの城砦は,大メガロンを中心とする宮殿建築の遺跡と巨石を積んだ城壁で著名である。エーゲ海建築に共通する特色として,下すぼまりの太い円柱,水平な石材の層を順にせり出して造るアーチやドーム,戸口上の 楣 (まぐさ) 石の上にはめこむ三角形の石パネルなどがあげられる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by