オイラーの図式(読み)おいらーのずしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オイラーの図式」の意味・わかりやすい解説

オイラーの図式
おいらーのずしき

命題推論を次のように図式化したものである()。「Aである」「Aでない」をそれぞれ円Aの内部外部で表す。「AはBである」は円Aを円Bの内部に、「あるAはBである」「あるAはBでない」を円Aと円Bを交差させ、「AはBでない」を、円Aを円Bの外部に書いて表す。推論が正しいということは、その推論の前提前述方式で書き上げたとき、結論がすでに書かれていることと考える。たとえば、「AはBである」「BはCである」それゆえ「AはCである」の前提を書けば、円Aは円Bの、円Bは円Cの内部に書かれる。このとき、円Aは円Cの内部に書かれていて、この推論が正しいことがわかる。この方式はオイラーが採用して広まった。この方式をさらに進めたものに、ベンの図式がある。

[西村敏男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android