日本大百科全書(ニッポニカ) 「オキナガレガニ」の意味・わかりやすい解説
オキナガレガニ
おきながれがに / 沖流蟹
ocean drifting crab
Columbus's crab
[学] Planes cyaneus
節足動物門甲殻綱十脚目イワガニ科に属するカニ。海藻や流木、軽石、ウミガメ、クラゲなどについて漂流する。歩脚が幅広く、羽状毛の縁どりがあるため、自らも泳ぐことができるが、磯(いそ)に打ち上げられていることも多い。甲は幅2センチメートルほどの丸みのある四角形で、側縁に小さな切れ込みがある。甲面は滑らかで前後左右に弱く湾曲する。太平洋、インド洋に広く分布しており、大西洋にはごく近縁のP. minutusが分布している。なおコロンブスは、1492年第1回航海の末期、サルガッソー海で、船にまつわりついた海藻についているこのカニをみつけて、陸が近いと乗組員を励ましたという。
[武田正倫]