軽石(読み)カルイシ(英語表記)pumice

翻訳|pumice

デジタル大辞泉 「軽石」の意味・読み・例文・類語

かる‐いし【軽石】

溶岩が急冷する際にガスが噴き出してできた、小さな穴がたくさんある岩石。軽く、水に浮く。あか落としなどに用いる。浮き石。パミス
[類語]火成岩火山岩黒曜石安山岩玄武岩深成岩花崗岩御影石溶岩火山灰

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共同通信ニュース用語解説 「軽石」の解説

軽石

火山から噴出したマグマが冷やされる際に、含んでいたガスなどが放出され、多くの穴が開いた岩石。壊れやすく、水に浮く性質がある。海底火山噴火で生じた場合、海流によって遠方まで流れ着くことがあり、1986年の小笠原諸島福徳岡ノ場ふくとくおかのば」の噴火では、琉球列島から本州にかけ広く漂着した記録がある。

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精選版 日本国語大辞典 「軽石」の意味・読み・例文・類語

かる‐いし【軽石】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 岩石の一つ。火山からふき出した溶岩が急速に冷えてできた岩石。含有ガスが出るときできた小さな穴があり、軽くて水に浮き、きわめてもろい。あかすりとして入浴時に用いられる。浮石(うきいし)。かろいし。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「又きびすは、かるいしにてすり」(出典:評判記・秘伝書(1655頃)下ほんの事)
  3. あばたづらをいう。
    1. [初出の実例]「かる石に目はなのついたうんつよさ」(出典:雑俳・川柳評万句合‐安永六(1777)礼六)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軽石」の意味・わかりやすい解説

軽石
かるいし
pumice

多孔質で見かけ上の比重が小さく、淡色(明灰色ないし明白色)の火山砕屑物(さいせつぶつ)の一種。水に浮かぶものも多い。流紋岩質、石英安山岩質、安山岩質などの比較的珪長(けいちょう)質のマグマが地表近くに上昇し、急激な外圧の減少のために発泡して形成される。気孔はマグマの流動、空中放出などの過程を反映して、無数のパイプ群をなすことがあり、隔壁が細い糸状になることが多い。石基をなす淡色の部分は火山ガラスよりなり、輝石、角閃(かくせん)石、黒雲母(くろうんも)などの斑晶(はんしょう)がゴマ粒のようにちりばめられていることが多い。浮石ともいう。大きさは数ミリメートル大から1メートル大まである。空中放出物としては火山灰と同様、偏西風のため東側に偏った楕円(だえん)状の分布を示すが、軽石流として高速の粉体流が火山の斜面を流下することもある。軽石を形成したものと同一のケイ酸分に富むマグマで、ガス成分が少なく、発泡作用をおこさずに急冷すると、黒曜石(こくようせき)、松脂石(まつやにいし)、真珠石(いし)とよばれるような岩石になる。カルデラの形成に関連して大量に形成されることがあるが、苦鉄質マグマを主とする火山でも少量の軽石を噴出することも多い。南九州のシラスは鹿児島湾周辺のカルデラ形成に関連してできた。

[矢島敏彦]


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改訂新版 世界大百科事典 「軽石」の意味・わかりやすい解説

軽石 (かるいし)
pumice

浮石ともいう。流紋岩,石英安山岩,安山岩などのケイ長質の化学組成をもち,白~淡色の多孔質ガラス質の火山砕屑物(さいせつぶつ)の一種。見かけ比重が小さく,しばしば水に浮く。大きさは火山灰大から径1m以上まである。軽量骨材,磨き砂などに使われる。
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百科事典マイペディア 「軽石」の意味・わかりやすい解説

軽石【かるいし】

浮石(ふせき)とも。火山放出物の一種で,多量の小さな空孔をもつ明色の岩片。ケイ長質のマグマに多く生ずる。多くの軽石の比重は1より小さい。マグマが急激に噴出するとき内部からガスを発生し,急に膨張して無数の気孔を生じたもの。火砕流の主要構成物質。
→関連項目スコリア

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軽石」の意味・わかりやすい解説

軽石
かるいし
pumice

火山砕屑物の一種。浮石ともいう。多孔質,見かけ比重が水より小さく,淡色を呈する。安山岩質,石英安山岩質,流紋岩質のガラス質火山岩の一種で,マグマが冷却するときに,その中のガスが急に逃げたために多孔質になったものである。大きさは径 1m以上のものまである。軽いため軽量骨材として用いられる。

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岩石学辞典 「軽石」の解説

軽石

浮石

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世界大百科事典(旧版)内の軽石の言及

【スコリア】より

…大きさや形ではなく,黒色,暗褐色で多孔質という内部構造に基づく分類名。白色,淡色のものは軽石(浮石)とよばれ,通常スコリアよりさらに多孔質で軽い。スコリアは玄武岩など鉄,マグネシウムなどの多いマグマの発泡により生ずる。…

※「軽石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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