おさおさ(読み)オサオサ

デジタル大辞泉 「おさおさ」の意味・読み・例文・類語

おさ‐おさ〔をさをさ〕

[副]
(あとに打消しの語を伴って)ほとんど。まったく。「用意おさおさ怠りない」
確かに。ちゃんと。
「むこになり給へと―聞こえ給へども」〈宇津保藤原の君〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「おさおさ」の意味・読み・例文・類語

おさ‐おさ をさをさ

〘副〙 物事の内容、質などを十分に確実にそなえて、あるいは条件、体裁などを整えて、の意。
① あとに打消または否定的な意味の表現を伴って用いる。ほとんど。ろくに。また、少しも。あらゆる点において。
万葉(8C後)一四・三五二九「等野(とや)の野に兎(をさぎ)(ねら)はり乎佐乎左(ヲサヲサ)も寝なへ子故に母に嘖(ころ)はえ」
※ふだん着のソ連(1955)〈渡辺善一郎〉口をきかないコジキ「この国がいかに軍備警戒に準備おさおさ怠りないかを物語っている」
② たしかに。きちんと。ちゃんと。しっかり。もっぱら。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「よろづの人の、『壻になり給へ』と、おさおさ聞え給へども、さも物し給はず」
読本南総里見八犬伝(1814‐42)六「殊さらこの新亭はをさをさ眺望の為に建たり」

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