オデオン座(読み)オデオンざ(その他表記)Théâtre National de l'Odéon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オデオン座」の意味・わかりやすい解説

オデオン座
オデオンざ
Théâtre National de l'Odéon

パリにあるフランス第2の国立劇場。 1782年コメディー・フランセーズ本拠地として創設された。革命を経て 95年国立劇場となるが,同劇団は分裂・再統合されて 99年現在地へ移転。その後劇場は 99,1818年と2度火災にあったが, 19年国立第二劇場として再開。初めはオペレッタ風の作品の上演が多かったが,29年以降,音楽的要素の強い作品はオペラ座やオペラ・コミック座に移り,オデオン座では古典や新しい戯曲が上演されるようになった。 1946年,コメディー・フランセーズと合併し,第一劇場サル・リシュリュー Salle Richelieuと第二劇場サル・リュクサンブール Salle Luxembourgに改称。コメディー・フランセーズが第一劇場として古典や近代劇を上演するのに対し,オデオン座は新作レパートリーを中心とする第二劇場となった。 59年 J.-L.バロー指揮のもとに再びテアトル・ド・フランス Théâtre de Franceとして独立。バローによるジュネの『屏風』 (1966) の上演では劇場での暴動を引起した。 68年五月革命により劇場は占拠され,バローも解任される。 71年には再度コメディー・フランセーズの管理下に入り,旧称のオデオン座に改称された。 83年~90年 G.ストレーレル率いる欧州劇場 Théâtre de l'Europeの本拠地となっていた。

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世界大百科事典(旧版)内のオデオン座の言及

【コメディ・フランセーズ】より

…同座は73年にモリエールが死ぬと,解散した〈マレー座Théâtre du Marais〉の役者たちを吸収合体して存続していたが,さらに上記の勅令で当時悲劇の総本山だった〈オテル・ド・ブルゴーニュ座(ブルゴーニュ座)〉と合併,パリおよびその周辺の演劇独占権(イタリア劇団は例外)を与えられた王立劇団としてコルネイユ,ラシーヌの悲劇,モリエールの喜劇などを財産として発足した。最初,セーヌ左岸ゲネゴー劇場を本拠としたが,87年フォセ・サン・ジェルマン・デ・プレに,1771年チュイルリー宮内に,82年には現在オデオン座のある場所の劇場に移った。一座の役者団は18世紀を通じて自分たちの利益と権威の確立に励み,演劇独占権を利して他の劇団を圧倒した。…

※「オデオン座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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