オナシカワゲラ(読み)おなしかわげら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オナシカワゲラ」の意味・わかりやすい解説

オナシカワゲラ
おなしかわげら / 無尾襀翅

昆虫カワゲラ目のオナシカワゲラ科Nemouridaeの昆虫の総称。襀(せき)翅類(目)ともよばれる。体長10ミリメートル前後の小形のカワゲラで、尾毛は1節しかなく、尾がないようにみえるのが名の由来である。種属によってはこの尾毛が交尾器の一部をなすものもある。日本には3属約40種が知られ、日本全土に分布して春から秋にかけて出現する。本科の幼虫は水中生活をし、山間渓流平地の流れにも生息しており、比較的汚れた水流、とくに温泉水の流入するような川にもすむものがあるが、大部分の種属は清流に生息する。幼虫の尾は長く多数の節からなる。本科の種で、幼虫から成虫までの過程が判明しているものはまだ1種もない。

[川合禎次]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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