オニアス4世(読み)オニアスよんせい(その他表記)Onias IV

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オニアス4世」の意味・わかりやすい解説

オニアス4世
オニアスよんせい
Onias IV

前2世紀前半頃のユダヤの大祭司。セレウコス朝シリアのアンチオコス5世メネラウスを殺害したとき,パレスチナを逃れてエジプトに亡命,プトレマイオス6世とクレオパトラ3世の保護を受け,オニアス3世の建造したヘリオポリスユダヤ教神殿の中心人物となった。一説によるとこの神殿は3世によってではなく,4世によって建立されたといわれる。彼はまたメンフィスに近いレオントポリスにもユダヤ教の神殿を建立。その2人の息子はクレオパトラ3世の将軍となった。レオントポリスの神殿祭儀は前 74年まで続いたが,エルサレムを破壊したローマのウェスパシアヌス帝によって同年閉鎖された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android