オニアス4世(読み)オニアスよんせい(英語表記)Onias IV

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オニアス4世」の意味・わかりやすい解説

オニアス4世
オニアスよんせい
Onias IV

前2世紀前半頃のユダヤの大祭司。セレウコス朝シリアのアンチオコス5世メネラウスを殺害したとき,パレスチナを逃れてエジプトに亡命,プトレマイオス6世とクレオパトラ3世の保護を受け,オニアス3世の建造したヘリオポリスユダヤ教神殿の中心人物となった。一説によるとこの神殿は3世によってではなく,4世によって建立されたといわれる。彼はまたメンフィスに近いレオントポリスにもユダヤ教の神殿を建立。その2人の息子はクレオパトラ3世の将軍となった。レオントポリスの神殿祭儀は前 74年まで続いたが,エルサレムを破壊したローマのウェスパシアヌス帝によって同年閉鎖された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

春闘

春の時期に労働組合が一斉に賃上げ、労働条件の改善に関する交渉を行なうこと。欧米では、産業別に強力な労働組合が存在し、それらが労働条件改善への闘争を繰り広げて成果を得てきた。だが、日本では企業ごとに労働...

春闘の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android