ヘリオポリス(読み)へりおぽりす(英語表記)Heliopolis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘリオポリス」の意味・わかりやすい解説

ヘリオポリス
へりおぽりす
Heliopolis

古代エジプトの都市。カイロの東北郊外に位置する。名称は「太陽の都」を意味し、古代エジプトの太陽信仰アトンおよびラー)の中心地であった歴史を物語っている。ここに太陽信仰の神殿ができ祭司団が形成されたのは、第一王朝時代にさかのぼる。第二王朝で王名に作用するほど発達し、第三王朝で祭司団長イムホテプが、ジョセル王の宰相となってピラミッドを建造したときから、古代エジプト全史を通じてエジプト王権と直結する信仰体系となり、第五王朝で「ピラミッド・テキスト」の骨格となった。第12王朝のセンウスレト1世は、ここに大神殿とオベリスクを建てた。オベリスクの1本はいまも立っている。プトレマイオス朝時代に、ギリシア学者はここで学問を修めた。ローマ支配時代以降衰えていった。

[酒井傳六]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘリオポリス」の意味・わかりやすい解説

ヘリオポリス
Heliopolis

ドイツ作家 E.ユンガーの未来小説。 1949年刊。災禍から残った都市ヘリオポリスは,空のかなたの世界統治者によって支配されている。反政府活動と戦う主人公ルーチウスは,狂気犠牲となった「パルゼン人」を救ったため味方不評を買うが,世界統治者に是認され天にのぼる。

ヘリオポリス

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