化学辞典 第2版 「オメガトロン」の解説
オメガトロン
オメガトロン
omegatron
小型で比較的感度の高い質量分析計で,超高真空(10-9~10-7 Pa)中の残留ガスの分析などに使用される.イオンが均一磁場H中でそれに垂直方向に周波数 ωc の高周波電場を印加されると,
ωc = eH/m
の条件に適合したm/eのイオンだけが高周波のエネルギーを吸収して,サイクロトロン共鳴を起こし加速され,その円軌道が広がる.この原理にもとづき,J.A. Hippleらが1951年に開発した.原理図の右は磁場の方向に垂直な断面,左図は磁場方向の断面図である.高周波の周波数は100 kHz から数十 MHz で,その電圧は数 V 以下である.これらの電極を3 cmφ内外のガラス管に封入したものである.[別用語参照]イオンサイクロトロン共鳴質量分析計
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報