山川 日本史小辞典 改訂新版 「オランダ商館長江戸参府」の解説
オランダ商館長江戸参府
オランダしょうかんちょうえどさんぷ
江戸時代,長崎のオランダ商館長が貿易の御礼を目的として江戸にのぼり,将軍に拝謁すること。平戸オランダ商館時代の1633年(寛永10)に日蘭貿易が再開されて以来毎年行われたが,1790年(寛政2)から4年に1回となった。初期は年末に長崎を出発,正月将軍に拝謁したが,のち1月に出発した。往復で約3カ月を要し,商館長のほか書記役・医師のオランダ人と,日本のオランダ通詞,長崎奉行所役人が同行。江戸滞在中は定宿の長崎屋に隔離されたが,幕閣・大名や蘭学者などが訪れて西洋の学問や情報を摂取したほか,若干の物品の取引も行われた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報