改訂新版 世界大百科事典 「オランダ航空会社」の意味・わかりやすい解説
オランダ航空[会社] (オランダこうくう)
Koninklijke Luchtvaart Maatschappij N.V.
アムステルダムに本拠地を置くオランダの国営航空会社で,政府が38%の株式を保有しているが,出資比率を低下させており,完全民営化を目指す。略称KLM。航空会社コードはKL。ヨーロッパで最も古い航空会社。アムステルダム,ロッテルダムを中心にヨーロッパ,北米,中米,アフリカ,中近東,オセアニア,東南アジアの主要都市に路線を運営している。日本へは1951年から乗り入れている。1919年にオランダ政府,民間の共同出資で創設され,翌年アムステルダム~ロンドン間に定期便を開設した。第2次世界大戦では大きな被害を受けたが,政府とオランダ航空はオランダ政府航空輸送サービス会社を設立して戦後いち早くヨーロッパ,東南アジアの旧オランダ領等の主要都市に運航を再開した。1946年オランダ航空はこれらの路線を引き継いだ。49年オランダがインドネシアの独立を認めるとともに,オランダ航空は50%出資によりガルーダ・インドネシア航空の設立を援助した。輸送実績は旅客594億人キロ,貨物42億トンキロ(2002)。2004年5月,持株会社エール・フランスKLMの下でエール・フランスと経営統合した。
執筆者:中島 巌
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報